2008 Fiscal Year Annual Research Report
網膜疾患モデル動物を用いた網膜内神経ステロイドの産生と視機能調節機能の解析
Project/Area Number |
19791284
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 隆雄 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (30315931)
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Keywords | 綱膜 / 神経ステロイド / 免疫組織化学 / ウエスタンブロット |
Research Abstract |
失明などの重篤な視機能障害を引き起こす網膜変性疾患は、アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患と同様に神細胞死の常によって発症して進行性に神経細胞の障害が進む因不明の疾患でありその多くは有効な治療がない。本研究では、近年アルツハイマーの研究などで大きな注目を集めているように神経変性疾患に見られるステロイドの脳内神経細胞の保護作用が、網膜変性疾患に対しても当てはまり同様な作用をステロイドが発揮するのではないかという視点から、網膜における神経ステロイドの割および性疾患における神経ステロイドの作用機序について、分子生物学および組織化学的手法を用いて解析することを目的としている。 本年度では、正常ラット網膜を用いて各種ステロイド代謝酵素の局在を明らかにするために、これまでにウサギに免疫することによって得た抗血清を精製し、その抗体の特異性について検討を行なった。これまでに得た抗ステロイド代謝酵素抗体は、aromatase, 5α-reductase type I, type II, 5β-reductase, 3α-hydroxysteroid dehydroenase(3α-HSD)3-HSD, CYP17であり、それぞれ動物組織ホモジネートを用いたウエスタンブロット法を行なった。また、5α-reductaseはtype I, IIといったisoformが存在するため各抗体の交差性の確認に細胞にそれぞれのステロイド代謝酵素を強制発現させる系を作成し、それらを用いたウエスタンブロットにより検討をおこなっており、これによって抗本を用いた免疫組織化学法により各種ステロイド代謝酵素の網膜における発現、局在等を明らかにすることが可能となる。さらに胎生期からの一連の発生過程における神経ステロイドの役割、変性網膜と正常網膜との比較解析などから神経変性疾患の研究につながる基礎的研究として重要な意義があると考える。これらの正常網膜での結果を基にして、網膜変性疾患のモデル動物などを用いて、網膜変性過程におけるステロイド代謝酵素と産生される神経ステロイドの関与、作用機序の解明へと展開していくことを計画している。
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