2007 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性症の動物モデルにおける網膜各層の機能解析
Project/Area Number |
19791286
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大高 幸二 Iwate Medical University, 医学部, 研究員 (70438498)
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Keywords | 網膜色素変性 / RCSラット / ERG / 網膜内層 / 視細胞変性 |
Research Abstract |
Royal College Surgeons(RCS)ラットは、ヒトの網膜色素変性症(RP)と同じ遺伝子異常を有しており、RPの重要な動物モデルである。RCSラットでは視細胞が進行性に変性し脱落する。視細胞変性に伴い網膜電図(ERG)の振幅は低下するが、今回は網膜外層、中層および内層に由来するERGの成分がどのように変化すかを検討した。 1.対象および方法 4,6,8,10,12および14週齢のRCSラットを対象とした(それぞれn=5)。右眼のみにNMDA 5mMを硝子体内に注入し、3次ニューロン応答をブロックした。左眼かち右眼のERGをサブトラクションし、3次ニューロン応答を分離した。 2.結果 RCSラットでは、網膜外・中および内層に由来する全ての電気応答が低下する。しかし、網膜内層に由来する3次ニューロン応答は、他の応答に比較し極めてゆっくりと低下した。このため、変性が進行したRCSラットではaおよびb波の振幅および頂点潜時が、3次ニューロン応答の影響を強く受けていることが明らかとなった。RCSラットでは、視細胞変性にもかかわらず網膜内層の応答が保たれていたが、網膜光障害で生じる視細胞変性では同様の所見はみられなかった。RCSラットでは、視細胞の変性に伴って、網膜内層のシナプス変化あるいはトランスミッターのレセプター変化が生じている可能性がある。 3.今後の課題 動物モデルで生じている電気生理的な変化が、RPでもみられるかどうか検討する予定である。視力が比較的保たれているRP症例から黄斑部局所ERGを記録し、網膜内層に由来する成分の変化を検討する。
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Research Products
(2 results)