2007 Fiscal Year Annual Research Report
オメガ-3不飽和脂肪酸摂取による脈絡膜新生血管の抑制
Project/Area Number |
19791291
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
持丸 博史 Keio University, 医学部, 嘱託(非常勤) (90424168)
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Keywords | 脈絡膜血管新生 / オメガ3多価不飽和脂肪酸 / EPA / 接着分子 / 加齢黄斑変性 / 炎症 |
Research Abstract |
【目的】近年ω-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取が加齢黄斑変性の発症を抑制するとの疫学調査が報告されている。今回我々は、エイコサペンタエン酸(EPA)の摂取が実験的脈絡膜血管新生(CNV)に及ぼす影響を検討した。 【方法】6週齢のC57BL/6マウスを魚粉抜き飼料、EPA混餌飼料、またはリノール酸混餌飼料で4週間飼育した後、レーザー光凝固によりCNVを誘導した。光凝固後7日目にCNV体積を評価し、また脈絡膜でのICAM-1、MCP-1、VEGF、IL-6の発現をRT-PCR法、ELISA法で検討した。さらに血清中のCRP、IL-6濃度を測定した。また、培養血管内皮細胞でのTNF-α刺激時のICAM-1、MCP-1、培養マクロファージでのLPS刺激時のVEGF、IL-6の発現につき、EPA投与の効果をRT-PCR法、ELISA法で検討した。 【結果】魚粉抜き飼料群に比し、EPA混餌群でCNV体積は有意に減少したが、リノール酸混餌群では有意差は見られなかった。EPA混餌群では脈絡膜における上記分子の発現が有意に抑制された。さらに血清CRP、IL-6とも有意に低値を示した。培養細胞における上記分子の発現もEPA投与により有意に抑制された。 【結論】EPA摂取は脈絡膜における炎症抑制を介してCNVを抑制することが示された。またCNVの抑制は眼局所のみならず全身の炎症レベルの低下による可能性が示唆された。 Invest Ophthalmol Vis Sci 2007,48(9),4328-34
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Research Products
(2 results)