2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経ペプチド誘導制御性T細胞による実験的自己免疫性ぶどう膜炎の抑制機構の解明
Project/Area Number |
19791293
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
慶野 博 Kyorin University, 医学部, 講師 (90328211)
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Keywords | 神経ペプチド / 自己免疫疾患 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
以前に我々は前房内に豊富に存在し免疫制御物質として近年注目されているvasoactive intestinalpeptide (VIP)をもちいてヒト難治性ぶどう膜炎の実験モデルである実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(experimental autoimmune uveoretinitis:EAU)を抑制できるか否か検討を行った。その結果、VIPを連日腹腔内投与することによりマウスに誘導したEAUの重症度が軽減化されることが判明した。一方で最近の海外からの報告によれば、VIPを全身投与することで末梢性免疫寛容の誘導に関与するといわれるCD25^+制御性T細胞が生体内で増加することが示された。 我々はこれらの知見をふまえ、VIPによってEAUが抑制されたマウスにおいてCD25^+制御性T細胞が生体内で増加し、炎症の抑制に関与しているか否か検討した。 C57BL/6マウスを網膜抗原で免疫、同日からVIP(2nmol)も連日投与し、免疫後18日目にマウスを屠殺、所属リンパ節である頚部リンパ節を採取しCD4CD25陽性細胞の発現量について検討した。その結果、VIP投与群でも基剤投与群でもその発現数に差はみられなかった。また正常マウスからリンパ節細胞を採取し、抗CD3抗体を用いて刺激培養行い、同時にVIPと共培養してCD4CD25陽性細胞の発現について検討したが、対照群と比較して有意な差は認められなかった。 今後はリンパ節細胞の採取日を変更する、またVIPの投与量を調整する、など条件を変更して結果が異なるか検討する予定である。またVIP以外で眼内の免疫制御に関与することが予想される他の神経ペプチドを用いてEAUの抑制、CD25+制御性T細胞の関わりについても検討する予定である。
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Research Products
(12 results)