2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791300
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
菅原 大輔 Kinki University, 医学部, 助教 (30309314)
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Keywords | ヘルペスウイルス / 潜伏感染 / 三叉神経 / 再活性化 / ワクチン |
Research Abstract |
1.HSV-1潜伏感染モデルマウスの作成 HSV-1潜伏感染マウスモデルを、より人間に近い条件に近づける為、ウイルスの感染経路とウイルス接種回数の検討実験を行った。(1)角膜に接種するHSV-1の力価を(0・10^3・10^4・10^5pfu/eye)の4点設け、感染4週後の三叉神経節を取り出し、real time PCRを施行した。ウイルス感染4週後の生存率は100%・80%・80%・20%(0・10^3・10^4・10^5pfu/eyeの順で)であった。real time PCRで三叉神経中にHSV-1DNAを検出できた割合は0%・25%・14%・100%(同上)であった。これらの結果より、この実験系での角膜経由のウイルス感染力価は10^4と10^5の間、すなわち5x10^4が最適であると考えられた。 (2)ウイルスの経口による潜伏感染効率を調べた。人間のHSV-1潜伏感染の成立は経口感染が最も多くの割合を占めると考えられる。(1)で施行したウイルス力価(0・10^3・10^4・10^5pfu/mouth)を用い、感染回数も1回の群と3回の群を設けた。感染4週後の生存率はどの群も80〜90%で大差は無かった。感染4週後に採取した三叉神経中のHSV-1DNAの検出率は、一番多く検出されたのが10^5pfuを3回感染させた群で、約3割であった。これらの結果より、三叉神経へHSV-1を潜伏感染させるのは経角膜が今のところ効率的な方法であると結論付けた。引き続き感染経路の条件設定を変えることにより、より効率よく三叉神経ヘウイルスを定着させる条件を検討していく予定である。 2.HSV-1再活性時の三叉神経におけるケモカイン動態変化の検討 ケモカインの検討をする前に、HSV-1潜伏感染時の三叉神経への浸潤細胞の検討をする事とした。浸潤している免疫細胞をある程度限定することにより、三叉神経内で分泌されるサイトカインもある程度限定することが出来ると考えられる。現在、三叉神経節から浸潤細胞を分離し、フローサイトメトリーでの解析を進めているところである。
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