2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791302
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高山 徹也 Kurume University, 医学部, 助教 (70347029)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / 網膜変性 / 再生 / 移植 |
Research Abstract |
本研究では、網膜変性性デルであるNaIO_3(ヨーソ酸ソーダ)投与動物に対し、多分化能力を有し近年再生医療分野で注目されている骨髄間質細胞を移植し、移値細胞の種々の障害網膜構成細胞への分化の有無、網膜障害抑制効果の有無を検討する事を目的としている。 まず、本年度の研究実施計画に基づき、NaIO_3を野生型SDットの尾静脈より投与し、網膜変性のラットモデルを作製した。薬剤投与後、経時的に網膜組織標本を作製し、種々の抗体を用いた免疫組織化学染色を施行した。変性モデル動物では、薬剤投与後より経時的に網膜色素上皮細胞の変性・数の減少、視細胞の核の位置に相当する外顆粒細胞層の配列の乱れだ確認された。また網膜のダリア細胞であるミューラー細胞の活性化やマクロファージ・ミクログリアなどの網膜外層への浸潤なども観察され、網膜外層を中心とした障害・変性が組織学的に観察された。 また、現在は、GFP(green fluorescence protein)遺伝子導入ラットの大腿骨・脛骨から摘出した骨髄細胞の初代培養を行い、骨髄間質細胞を収集。これを、この網膜変性モデルラットへ投与し、移植細胞の網膜色素上皮組胞を含めた網膜構成細胞への分化の有無、移植に伴う網膜変性抑止効果の有無などに関して検討を行っているところである。 骨髄細胞は、自家移植が可能であり、倫理面・供給の安定性・免疫拒絶反応が回避可能など再生医療の移値源として非常に魅力のあるものである。骨・軟骨・脂肪・腱・骨格筋・心筋・神経細胞などへの多分化能力を持つとされる骨髄間質細胞の網膜変性への有効性が確認されれば、臨床応用への基礎的データが得られるものと期待される。
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