2007 Fiscal Year Annual Research Report
色素上皮由来因子(PEDF)の初期糖尿病性網膜症における血管透過性の抑制
Project/Area Number |
19791303
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松井 孝憲 Kurume University, 循環器病研究所, 研究員 (10425233)
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Keywords | 糖尿病 / シグナル伝達 / 分子生物学 |
Research Abstract |
初期糖尿病網膜症で色素上皮由来因子(Pigmentepithelium-derivedfactor:PEDF)遺伝子の影響を検討するために、ヒトPEDF遺伝子を導入したトランスジェニックマウス(PEDF-Tgマウス)を作製し、ストレプトゾトシンで糖尿病を発症させるモデル動物が有用である。だが、これまでヒトPEDFのトランスジェニックマウスは作製できておらず、PEDFの作用によりマウス胎児の正常な発生を妨げられたためと思われた。そこでまず、ヒトPEDF導入トランスジェニックマウスの作製にあたり、テトラサイクリンの存在下のみでヒトPEDFを発現するテトラサイクリン誘導型PEDF発現ベクターを作製した。ヒトcDNAライブラリーより色素上皮由来因子(Pigmentepithelium-derivedfactor:PEDF)遺伝子をPCRにて単離し、発現ベクター(pTRE-Tight:rtTA応答ベクター)に組み込んで、ヒトPEDF発現プラスミドを構築した。得られたプラスミドを、テトラサイクリン応答的にrtTAを発現するベクター(pTet-On-Advanced)と共にHEK293細胞に導入したところ、ヒトPEDF蛋白質がテトラサイクリン誘導的に発現することを確認した。この結果、これまで産生が困難であったヒトPEDFトランスジェニックマウスを、高効率で得られると期待された。今後は得られるトランスジェニックマウスについて、ヒトPEDF遺伝子のテトラサイクリン誘導的な発現を確認後、当初の予定に基づき初期糖尿病網膜症における白血球接着と血管透過性亢進の阻害効果を検討する。検討に当たりPEDFの抗酸化活性に着目し、組織の顕微鏡観察・生化学的手法・分子生物学的手法により評価をおこなう。
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