2008 Fiscal Year Annual Research Report
胆道閉鎖症における肝胆道組織の初代培養と不死化細胞株の樹立
Project/Area Number |
19791307
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 武 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (20406044)
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Keywords | 細胞・組織 / 核酸 / 自然免疫 / 不死化 |
Research Abstract |
当該年度に経験した胆道閉鎖症(BA)2例、先天性胆道拡張症4例の肝胆道組織を用い、初代培養を試みた。マイトマイシン処理したfeeder layer上に破砕した組織片を撒くと、implant後5日で上皮細胞様の組織が立ち上がる。その培養効率は培養液の種類により異なり、培養4日目までkeratinocyte growth medium、以後Dalbeco's mediumに変更すると良好であった。FCS濃度は5%とし、継代は培養7日めに1回のみ可能であった。初代培養開始後3日目のmedium交換時からアデノウイルスに感染させE6/7遺伝子を導入すると、数種類の細胞が不死化される。光学・電子顕微鏡所見、CK8/19による免疫染色、アルブミン/γ-glutamylltransferaseの発現解析などから、不死化細胞の一つが胆管上皮細胞である可能性が示唆された。また胆管結紮マウスの肝胆道組織の不死化細胞群にコロニー法を試み、3種類の細胞群が単離された。現在そのcharacterizationを行っている。 上記実験と並行し、BA発症への自然免疫の関与を検討している。臨床肝検体を用い、Toll-like receptor(TLR)と、その下流のカスケードに含まれるINF-α/interleukin-6/MxAのmRNAの発現レベルをreal time PCR法で検討した。結果、BA群ではTLR8の発現量がコントロール群より有意に高く、かつ初回手術時採取検体では再手術時採取検体より、TLR2/8の発現が有意に高発現であった。さらに1歳未満症例では、BAのIL-6発現量が高い傾向がみられた。BAの発症に、自然免疫系の異常が関与している可能性が示唆された。
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