2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791313
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
白石 将毅 Sapporo Medical University, 医学部, 研究員 (60438059)
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Keywords | 再生医学 / 組織工学 / 軟骨再生 / 3次元培養 / 生体内組織培養 / 自家組織移植 / 軟骨培養 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
軟骨細胞の培養を行っている施設の研究者と軟骨細胞培養に関し検討した際、(1)軟骨細胞は増殖するが次第に軟骨基質を産生しなくなる、(2)軟骨基質を産生させ続けるにはサイトカイン(TGF-beta1など)が必要、との情報を得た。元々増殖能力が少なくin vivoでの採取量も少ない軟骨細胞を用いた軟骨組織再生は基質を産生させていく点からも問題を含む可能性があり、増殖能力に長け臨床的にも採取の容易な骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いての軟骨組織再生の方が有利であると我々は考えた。そこで、ラットを用いての実験系においてMSCを採取し軟骨細胞へ分化させ軟骨組織を再生できるのか検討した。SDラットの大腿骨から骨髄を採取、10%FCS含DMEMで培養し翌日に浮遊細胞を除去、接着細胞のみ培養した。この接着細胞はpopulation doubhngで継代していくと50継代以上培養可能なことを確認した。これらの細胞の表面抗原に対しEACSを用いて検討した。結果、CD31(-)、CD34(-)、CD29(+)、CD44(+)でMSCであることが示唆された。次にこれら細胞をTGFβ1含有培養液で培養し、軟骨細胞への分化を促した。軟骨細胞への分化の指標として(1)転写因子であるSOX9の発現、(2)II型コラーゲンの産生、を検討した。 RT-PCRを用いてSOX9の発現を検討したところ、TGFβ1含有培養液で培養されたこの細胞では、TGFβ1の濃度依存性にSOX9の発現が増強した。Western Blottingを用いてII型コラーゲン産生について検討したところ、TGFβ1の濃度依存性にII型コラーゲンの産生が増加した。現在、これら分化誘導細胞をscaffoldに入れex vivoでの3次元培養を開始している。今後、最終目標であるin vivoによる軟骨再生方法の開発ならびにex vivoによる3次元培養との比較検討を行う予定である。
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