2007 Fiscal Year Annual Research Report
Sox6遺伝子導入による不死化神経幹細胞の作製と中枢神経系再生への応用
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19791322
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
濱田 美知子 Kobe Gakuin University, 薬学部, 助教 (10248106)
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Keywords | 胚性腫瘍細胞P19 / Sox6 / 転写制御 / Wnt-1 |
Research Abstract |
第30回日本分子生物学会発表 演題:胚性腫瘍細胞P19の神経細胞への分化誘導時におけるSox6の標的遺伝子の検索 Sox6は胚性腫瘍細胞P19の神経分化初期過程で発現することから、Sox6がP19細胞の神経分化に関与する因子ではないかと考えた。 P19細胞にSox6を過剰発現させると、レチノイン酸(RA)で分化誘導を行わなくても神経細胞へ特異的に分化し、Sox6の発現を抑制すると、分化を誘導しても神経細胞へ分化しなくなった。これらのことから、Sox6はP19細胞の神経細胞への分化に非常に重要であることが分かった。 そこで、Sox6の標的遺伝子を検索するため、種々の神経分化関連遺伝子の発現の変動を調べ、Sox6がWnt-1、Mash-1、E-cadherin、N-cadherin遺伝子より上流で働いている可能性が示唆された。これらの因子の中で、Wnt-1はこれらの遺伝子の中でもっとも神経分化の初期段階で発現すること、Sox6と発現プロフィールが似ていること、プロモーター領域にSox6結合配列を持つことなどからSox6によって転写調節を受ける遺伝子の第一候補と推定した。 Wnt-lのプロモーター中にSox6結合配列があるので、この配列を含むWnt-1プロモーター配列のプローブを作成してゲルシフトアッセイを行った。その結果、Sox6タンパクがこの結合配列に特異的に結合することが分かった。また、ChIP Assayにより、in vivoで、クロマチン中のWnt-1プロモーターにSox6が結合していることが分かった。現在Sox6が結合することによってWnt-1プロモーターの活性化するかどうかについて検討を行っている。
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