2008 Fiscal Year Annual Research Report
Sox6遺伝子導入による不死化神経幹細胞の作製と中枢神経系再生への応用
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19791322
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
濱田 美知子 Kobe Gakuin University, 薬学部, 助教 (10248106)
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Keywords | Sox6 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
Sox6は中枢神経の発生・分化に関与する転写因子である。我々は既に、神経分化モデル細胞である胚性腫瘍細胞P19でSox6の過剰発現がレチノイン酸(以下RA)非依存的に神経細胞への分化をおこすこと、またSox6発現抑制によって神経細胞への分化を阻止し、RAによって顕著なapoptosisをおこすことを見出した。これらのことからSox6はP19細胞がRAによって神経細胞へ分化する過程で細胞の生存と神経分化への運命づけに関与する分子ではないかと推測した。そこで、Sox6のこれらの効果が、マウス神経幹細胞でも起こるのか否かについて検討した。 14日胚、17日胚由来マウス神経幹細胞にSox6発現ベクター、およびSox6 siRNA発現ベクターを導入した。Sox6の発現はRT-PCR法、及びWestern-blot法で測定した。生存率はHoechst33342染色細胞に対するPI染色細胞染色細胞の比を死細胞として求め、また、Apoptosisを起こした細胞はAnnexin-V-Fluoroによる染色で検出した。神経細胞あるいは、グリア細胞への分化は抗β-III Tubulin抗体、あるいは抗GFAP抗体を用いた免疫染色によって検出し、幹細胞の検出には抗SSEA1抗体を用いた。 14日胚、17日胚由来マウス神経幹細胞にSox6を過剰発現させた時、神経幹細胞の生存率や、神経幹細胞の割合に変化はなかった。神経細胞へ分化させたとき、わずかながら神経細胞の出現時期が早まり、出現頻度が上がった。またグリア細胞へ分化誘導したが、GFAP陽性グリア細胞は検出されなかった。一方、Sox6の発現を抑制した時、著しい細胞死が起こった。この時、Annexin-V-Fluoroで染色されたことから、Apoptosisが起こったと考えられた。
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