2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791326
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
齊藤 晋 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所・第3研究部, 研究員 (00450239)
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Keywords | 脊髄引き抜き損傷 / 神経幹細胞 / 第4脳室 / 免疫組織学的検討 / ニューロスフィアー |
Research Abstract |
現在においても有効な治療法のない節前性の脊髄引き抜き損傷に対しての再生研究を遂行中である。神経幹細胞を脳脊髄液経由で脊髄損傷部へ到達させて、損傷部での再生反応について調べている。治癒に有効的に働くことが明らかになれば、きわめて低侵襲な治療法となる可能性がある。 GFP(Green Fluorescent Protein)産生遺伝子を組み込んだTransgenic Rat(SD strain)の胎児(胎生16-18日)の海馬を採取し、これを単細胞に分割後、4-6日浮遊培養し神経幹細胞(ニューロスフィアー)を得た。これを3回継代して移植する細胞とした。次に引き抜き損傷モデルを以下のように2種類作成した。まずSDラット(生後4週)の脊椎をラミネクトミーし脊髄後根に圧挫損傷を加える。もう一つは同ラットの片側の肩甲骨内側を切開し、筋間を展開すると腕神経叢が露出する。腕神経叢を把持し外側に牽引することにより引き抜き損傷を与えた。損傷の有無については実体顕微鏡を用いて観察を行った。脳固定装置に固定したラットの第4脳室よりニューロスフィアーを脳脊髄液内に注入した。1週、2週、4週にてラットの脊髄を採取して病理組織学的または、蛍光顕徴鏡を用いて免疫組織学的に組織を評価した。結果圧挫された脊髄後根部にはGFPでラベルされた神経幹細胞が進入し、突起を伸長させるのが確認された。免疫染色ではS-100、GEAPには免疫活性を示したが、 Tubulin typeIIIには免疫活性を示さず、ニューロンへの分化は認めず、グリア特にアストロサイトへの分化を示していた。腕神経叢を介しての引き抜き損傷モデルの作成では45度尾側への牽引で節後損傷が起きることがわかったが、再現性に乏しいため現在改良中である。
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Research Products
(1 results)