2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791326
|
Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
齊藤 晋 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所 第6研究部, 研究員 (00450239)
|
Keywords | 移植、再生医療 / 神経科学 / 脊髄引き抜き損傷 |
Research Abstract |
現在においても有効な治療法のない節前性の脊髄引き抜き損傷に対しての再生の研究を行った。神経幹細胞を脳脊髄液経由で脊髄損傷部へ到達させて、損傷部でのどのように分化し、どのような効果を与えるかを調べた。方法はラット脊髄引き抜き損傷モデルに神経幹細胞を注入し免疫組織学的検討を行った。移植細胞の作成は、GFP(Green Fluorescent Protein)産生遺伝子を組み込んだTransgenic Rat (SD strain)の胎児(胎生16~18日)の海馬を採取し、これを単細胞に分割後、4~6日浮遊培養し神経幹細胞(ニューロスフィアー)を得て、これを3回継代して移植する細胞とした。ラット脊髄引き抜き損傷モデルについては、6週令のSDラットの頚椎に背側よりアプローチして頚椎のラミネクトミーを行い、次に硬膜の縦切開を加えて神経根を露出、先端が0.5mm長のフックを用いて後根を牽引して神経根を脊髄より剥脱させることで作成した。剥脱された神経根は10-0エチロンを用いて再び後角へ縫着させた。神経幹細胞を第4脳室に注入し、脳脊髄液内を経由して神経幹細胞を損傷部に誘導した。2週、4週にてラットの脊髄を採取して病理組織学的または、蛍光顕徴鏡を用いて免疫組織学的に組織を評価した。結果は、移植された神経幹細胞は神経根損傷部に侵入し、その一部はグリア系細胞に分化することが確認された。脊髄引き抜き損傷を受けた脊髄側は、後角より中心部へ向かってグリア瘢痕化が認められた。離断された神経根とグリア瘢痕化した後角とは瘢痕性の連続は認められたが、神経線維の伸長は認められなかった。
|