2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791327
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
御舘 靖雄 Kanazawa University, 医学部附属病院, 医員 (80377382)
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Keywords | TAFI / PAI / DIC |
Research Abstract |
近年、トロンビンによって活性化される新しいタイプの線溶阻止因子としてTAFI(Thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor)が発見されたが、PAIの線溶抑制状態における意義が相当明らかにされてきたのとは対照的に、TAFIの生理的・病的意義についてはほとんど不明である。平成19年度は、LPS誘発DICモデルおよび組織因子(TF)誘発DICモデルにおいて、PAIおよびTAFIの動態について検討した。その結果、凝固活性化マーカーであるTATは、両モデルにおいて同程度に上昇し、血小板やフィブリノゲンと言った止血因子も同程度に低下した。Dダイマーについては、TFモデルにおいては急峻に上昇したのに対して、LPSモデルでは軽度上昇が遷延した。PAI活性は、LPSモデルにおいて著増したのに対して、TFモデルでは軽度上昇に留まった。一方、TAFI(活性化される前の基質としてのTAFI)は、両モデルにおいて著減し、TAFIa(活性型TAFI)は両モデルにおいて上昇した。このTAFIaの上昇は、合成抗トロンビン薬であるアルガトロバンにより有意に抑制された。Dダイマーの成績から、TFモデルは線溶活性化が明らであり、LPSモデルは線溶抑制病態にあると考えられたため、DICにおける線溶調節は、主としてPAIが担っているものと推察された。DICにおけるTAFIの役割をさらに明らかにするため、TAFIaインヒビターを用いた検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)