2008 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系におけるファゴサイトーシスの分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
19791337
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷部 晃 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (90281815)
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Keywords | マイコプラズマ / リポペプチド / FSL-1 / TLR2 / ファゴサイトーシス / Rab protein / 自然免疫 |
Research Abstract |
我々は、マイコプラズマのリポタンパク質に由来する活性リポペプチドであるFSL-1を用いて、自然免疫において重要な役割を果たすファゴサイトーシスの分子メカニズムについて調べている。昨年度までにFSL-1はマクロファージに取り込まれ、その取り込みはクラスリン依存的であること、ならびにその取り込みはFSL-1の受容体であるTLR2非依存的であることがわかっていた。しかしながらFSL-1の取り込みに重要な受容体は不明のままであった。今年度は、FSL-1の取り込みにCD14ならびにCD36が重要であることを明らかにした。これらの詳細なデータは現在論文にまとめているところであり、国際的な学術雑誌への投稿する予定である。 さらに、ファゴサイトーシスなどにおける膜輸送で重要な役割を果たすRab proteinのうち、Rab5はマクロファージにおいて、FSL-1刺激によりメッセンジャーRNAの発現が-過性に低下することがリアルタイムPCR法により確認されたが、ウェスタンブロッティングの結果から、タンパクとしてはメッセンジャーRNAの場合と反対に刺激後6時間まで増加することがわかった。これまで、TLR2の刺激がRab5の発現に影響を与えるという報告はなく、今後は、この発現の上昇とファゴサイトーシスの変化との関連性、ならびにFSL-1刺激によるRab5の発現上昇に関与する経路、また、他のTLRリガンドでも同様なことが起きるのか、そしてRab5発現の減少が具体的に自然免疫系においてどのような影響を及ぼしているか詳細に研究する。
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