2007 Fiscal Year Annual Research Report
菌体成分,特にLPS投与マウスの血小板動態とアナフィラキシー様反応
Project/Area Number |
19791338
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
船山 ひろみ Tsurumi University, 歯学部, 助教 (00359530)
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Keywords | 血小板 / マウス / アナフィラキシー様反応 / 菌体成分 / LPS / 補体 / アドレナリン / セロトニン |
Research Abstract |
血小板は心臓・血管系疾患に加え,喘息,アレルギー,肝炎,癌の転移などとの関連性も示唆されている.Adrenaline (Ad)やnoradrenaline (NA)は副腎髄質や交感神経から遊離されるが,血小板自体もAdを有し,活性化に伴いAdを遊離し,血小板活性化に関わると言われている.Mannose-homopolymerを0抗原にもつLPSをBALB/cマウスに静脈注射すると,肺と肝臓への血小板の急速な集積とその脱顆粒によるショックが誘導される.このショック反応は既知エンドトキシンショックと異なり,0抗原と補体依存性であり,C3H/HeJマウスでも起こる.今回この反応とAdとの関連性について検討した. Klebsiella 03 LPS(愛知医大・横地高志教授より恵与)またはAd関連薬物を無麻酔BALB/cマウスに静注し,血液(断頭で試験管に直接回収),肺,肝臓での血小板の挙動を,serotonin(5HT)を指標に測定し,ショックを観察した.AdとNA投与は30秒以内の肺への血小板集積と1分以内のショックを誘導した.α1とα2アンタゴニストはアドレナリンのみならずLPSによる血小板反応と急性ショックも抑制した.マクロファージ枯渇マウスでは,LPSショックと同様に,Adショックも減弱した.補体C5阻害薬は,LPSショックを強く抑制し,Adショックに対しても抑制的たった.以上の結果より,LPSによる急性ショックは,補体とマクロファージに加えて,Ad受容体も関与する血小板反応により誘導されること,また,アドレナリン受容体は肺への血小板集積に関与する可能性が示唆された.
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