2007 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーの形成を誘導する細胞内侵入性レンサ球菌認識機構の解析
Project/Area Number |
19791339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桜井 敦朗 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別教育研究員 (90431759)
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Keywords | 自然免疫 / オートファジー / レンサ球菌 |
Research Abstract |
自食作用(オートファジー)は,飢餓状態などにおいて顕著に発現し細胞内の小器官の分解に関わってアミノ酸源とする機構であるが,ヒトの非貪食細胞内に侵入する病原性細菌もオートファゴソームによって取り囲まれ,その後リソソームと融合して分解されることを明らかが明らかとなってきた.しかし,細菌感染によってどのようにオートファジーが誘導されるかについては明らかとなっていない.本研究では,細胞内のオートファゴソームの形成を誘導する自然免疫の病原体認識因子について解析を進めている. ヒト非貪食細胞としてHeLa細胞を用い,オートファゴソームのマーカーであるLC3に緑色蛍光タンパク質EGFPを組み込んだプラスミドを細胞に導入し,A群レンサ球菌(GAS)菌株JRS4をHeLa細胞に感染させて細胞内のオートファゴソーム形成の有無を観察した.また,NOD1,NOD2をはじめとする主なNACHT-LRRファミリー遺伝子の網羅的なRNAiライブラリーを構築し,遺伝子ノックダウンによるオートファジー誘導の有無を検討した. JRS4株の感染によってHeLa細胞の約60%でオートファジーが誘導され,細胞内の菌はオートファゴソーム膜に捕獲されリソソームとの融合によって分解された.しかし,NOD1,NOD2の遺伝子ノックダウン細胞ではGAS感染時のオートファゴソーム形成率は変化しなかった.一方でNACHT-LRRファミリーのうち,Nalp4,Nalp10の発現を抑制した細胞ではオートファジーの誘導が約30%に減少した.
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