2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791345
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 環 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90274092)
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Keywords | 口腔レンサ球菌 / 溶菌酵素 / う蝕 / 基質特異性 |
Research Abstract |
本年度はS.mutansが産生するmutansレンサ球菌の細胞壁のみを特異的に消化する溶菌酵素Amlの基質特異性の解明、およびS.gordomii 281株の産生するAml様の溶菌酵素の精製および遺伝子の同定を目的とし、以下のとおり実施した。 1. Amlの基質結合部位のmaltose融合タンパクおよび、より分子量の小さいタグを用いる目的で質結合部位のHis-tag融合タンパクも作製し精製した。得られたタンパクを用い、様々な菌体への結合能を測定した。maltose融合タンパクではS.mutansに特異的に弱い結合が見られた。His-tag融合タンパクではS.mutansに特異的な結合が濃度依存的に強く見られた。 2. ELISA法、ビアコアシステムを用いて、Aml基質結合部位のHis-tag融合タンパクのS.mutansのAml感受性株と耐性株に対する結合親和性を検討した。感受性株に比べ、耐性株ではAml His-tag融合タンパクはほとんど結合しないことが明らかとなった。 3. Aml感受性株および耐性株のペプチドグリカンを精製し、Mutanolysinでの消化産物についてTOF-MSおよび、エドマン分解後のTOF-MS解析したが、それらの間に差異は見いだされなかった。 4. S.gordonii 281株より染色体DNAを調整し、ジェノミックライブラリーを作製し、Almの遺伝子断片をプローブとし、コロニーハイブリダイゼーションを行い、目的とするクローンを得ようと試みたが、現時点では特異的溶菌酵素のクローニングは成功していない。
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