2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗ハードケラチン抗体作製と幻影細胞の発現メカニズム解析およびその意義
Project/Area Number |
19791348
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
田中 章夫 Meikai University, 歯学部, 助教 (30406392)
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Keywords | 幻影細胞 / 陰影細胞 / hard keratin / Wntシグナル伝達経路 / 歯牙腫 |
Research Abstract |
我々はこれまで、独自に作成したhair proteinsに対する抗体を用い、石灰化嚢胞性歯原性腫瘍(石灰化歯原性嚢胞)、エナメル上皮腫型頭蓋咽頭腫および毛母腫に出現する幻影細胞あるいは陰影細胞にhard keratinsの発現を確認してきた。本研究では、type I acidic hard α-keratinsを特異的に認識する抗体を新たに作製し、歯原性腫瘍の一つで、組織奇形あるいは過誤腫とされている歯牙腫における幻影細胞の出現を検索して、これらの発生の異なる組織に由来する4種類の腫瘍が、いずれもhard keratins発現腫瘍であることを新たな知見のもとに証明するのが目的である。まず、先に作製した抗体を用いて、歯牙腫における幻影細胞の出現について免疫組織化学的に検索するとともに、その局在について病理組織学的に検討した。その結果、歯牙腫69例中46例(66.7%)に幻影細胞の出現を認めた。組織型では集合型が52例中41例(78.8%)、複雑型が17例中5例(29.4%)であった。幻影細胞は未熟なエナメル質に近接してみられ、Liese-Gang環様構造物中にもみられることが多かった。この歯牙腫における幻影細胞の出現頻度は従来の報告と比較して著しく高く、また幻影細胞を核とした石灰化物も多くみられ、歯牙腫の構成要素の一つとなっているものと考えられた。次に、type I acidic hard α-keratinsに対する新たなモノクローナル抗体を作製するために免疫原を作製した。まず、ヒト毛髪から毛髪タンパクを抽出し、この抽出した蛋白をSDS-PAGEにより分離して、目的とするtype I acidic hard α-keratins(40-45kD)のみを抽出した。しかし、得られた蛋白濃度がかなり低いことから、さらに精製して免疫原として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)