2008 Fiscal Year Annual Research Report
デキサメサゾンの骨芽細胞分化に対する作用機構の解明
Project/Area Number |
19791351
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三上 剛和 Nihon University, 歯学部, 助教 (80434075)
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Keywords | デキサメサゾン / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
デキサメサゾン(Dex)の骨芽細胞分化に対する作用機構を明らかにする目的で、Dexの制御下にある新規骨芽細胞分化関連遺伝子の同定とそのシグナル伝達経路の解析を行った。 本研究において、網羅的な関連遺伝子の発現量解析を行った結果、新たにいくつかの骨芽細胞分化関連遺伝子の発現がDexの制御下にあることが示唆された。そこで、これらのうち、骨芽細胞分化に重要な役割を果たすことが知られている転写因子、Osterixに着目し、解析を行った。 ラット由来成熟骨芽細胞様の培養細胞ROSI7/2.8において、Dexを添加して培養した細胞では、非添加で培養した細胞と比較して優位にOsterixの発現量が減少した。また、ラット由来未分化間葉系幹細胞様の培養細胞であるROB-C26を用いた実験では、骨芽細胞への分化を誘導するサイトカイン(BMP-2)を作用させることによって誘導されるはずのOsterixの発現がDexを同時に添加した培養系では抑制された。これまでに、Dexは作用させる細胞の種類、濃度やタイミングなどによって骨芽細胞分化に対して「正」にも「負」にも働くことが報告されている。本研究によって、Dexは骨芽細胞分化の早期、後期にかかわらずOsterixの発現を抑制したことから、Dexの骨芽細胞分化に対する「負」の作用効果には、このOsterixに対する発現抑制作用が重要な意味をもつと考えられる。次に、ルシフェラーゼアッセイを用いてOsterix遺伝子の上流に存在するプロモーター領域の解析を行った。Osterixプロモーター領域の各種欠損配列をルシフェラーゼ遺伝子の上流に結合させたコンストラクトを作成し、Dexに対する応答性を比較した。実験の結果、Osterixのisoform1の発現はDexによって抑制されるものの、isoform2の発現はDexによる影響を受けない可能性が示唆された。
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