2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛発症機構におけるグリシンシグナルの役割とRNA干渉による治療薬開発
Project/Area Number |
19791365
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北山 友也 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60363082)
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Keywords | 神経因性疾痛 / グリシンシグナル / ミクログリア |
Research Abstract |
本年度は、坐骨神経部分結紮を用いた神経因性疼痛モデルに対する研究をおこなった。 モデル動物におけるフォンフライ刺激による逃避反応閾値の経蒔的変化を検討した結果、手術直後から逃避反応が認められ、少なくとも30日後まで持続した。坐骨神経結紮モデル動物における脊髄を用いた蛋白質発現の変動を経時的に検討した結黒グリシンシグナル関連蛋白質、すなわちグリシン受容体α1、α3おまびグリシンドランスポーターに関しては変動は認められなかった。しかしながら、活性化ミクロプリアのマーカー蛋白質であるOX-42について検討したところて、同蛋白質め発現は術後一過性に上昇して、いた。すなわち、OX-42蛋自質の発現は術後3日目をピークに減少していた。 次に、このOX-42蛋白質の一過性発現上昇の生理学的意義を検討するために鎮痛効果が認められた、グリツントランスポーター阻害薬を坐骨神経結紮モデル動物に経時的に投与した。その結果、術後3日目から4日目を境に、同薬物の効果は逆転していた。すなわち、術後3日目までは阻害薬の鎮痛効果は認められなかった。しかしながら、4日目以降では阻害薬を投与することにより、フォンブライ刺激による逃避反応閾値は、著明に増加していた。これらの結果は、ミクログリアの活性化の指標であるOX-42の発現変動と相関するものである。したがって、ミクログリアを介した神経因性落痛発症機構が存在すること、および神経因性疼痛の維持機構とは異なるメカニズムが存在する可能性が示唆される。
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