2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光分子センサーを用いた培養耳下腺細胞のイノシトール三リン酸のリアルタイム測定
Project/Area Number |
19791369
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
根津 顕弘 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 講師 (00305913)
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Keywords | イノシトール三リン酸 / 耳下腺腺房細胞 / 細胞内カルシウム濃度 / 初代培養 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究は、耳下腺腺房細胞における受容体刺激を介した細胞内イノシトール三リン酸 (IP3) 濃度の時間・空間的な変化を生きた腺房細胞を用いて測定することを目的とする。 初年度で、酵素処理によって調製した単離腺房細胞が、24時間までの細胞培養で腺房細胞に特有な形態を持ち、受容体刺激でCa^<2+>応答を起こすことを確かめた。培養腺房細胞のCa^<2+>応答は、調製直後の細胞と比べ約半分程度の反応であったが、培養時間の短縮や培養用培地を変えることで、Ca^<2+>応答を向上させることに成功した。さらに培養腺房細胞へのLIBRA発現ベクター導入法について検討した。GFP標識タンパク質発現遺伝子を導入後、18時間で、蛍光タンパク質の発現が観察された。培養後の腺房細胞では強い自家蛍光が観察され、GFP蛍光の観察に影響する可能性があり、さらなる培養方法の改良が必要であった。 またLIBRAの改良を行い、pH耐性LIBRAやIP_3非感受性HBRAなどを作成し、これらを用いて細胞IP_3濃度を定量解析可能なシステムを構築した。さらに、改良型LIBRAを用い、IP_3受容体の細胞内集積とIP_3濃度との関係や、唾液腺由来培養細胞を用いて機械刺激によるIP_3濃度動態を明らかにした. さらに新たな腺房細胞への改良型LIBRA導入法を検討した。1つは単離精製したLIBRAタンパク質を腺房細胞に直接導入する方法である。これまでにマイクロポレーション法により腺房細胞に精製したLIBRAタンパク質を導入することに成功した。現在、細胞障害を抑制する導入条件を検討している。別の方法として、ウイルスベクターによる導入法を試みた。GFP標識したタンパク質を発現するウイルスベクターによって、唾液腺組織の腺房細胞に標識タンパク質が発現することを確かめた。現在、LIBRA発現ウイルスベクターを作成中である。
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Research Products
(10 results)