2007 Fiscal Year Annual Research Report
特定超音波振動を利用したインプラント周囲炎の新しい治療システムの開発
Project/Area Number |
19791378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 栄成 Tohoku University, 病院, 助教 (60375102)
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Keywords | 特定超音波振動 / インプラント周囲炎 / 活性酸素 / フリーラジカル / 義歯洗浄 |
Research Abstract |
特定超音波振動をインプラント周囲炎の治療に応用すべく,平成19年度においては,まず特定超音波振動によってどの程度デンタルプラークを除去することが出来るかを検討した. 口腔内から撤去した暫間被覆冠に付着したデンタルプラークを対象とし,特定周波数(1.6MHz)を用いた試作超音波発振装置に蒸留水・超酸性電解水(pH2-2.5)・強アルカリ還元水(pH11)の3種類の洗浄液と組み合わせ,15分間の洗浄後のプラーク除去効果を検討した.プラーク除去効果は,洗浄前後におけるプラーク染出し面積の増減とATP(アデノシン三リン酸)拭き取り検査によって評価した.またコントロールとして市販の超音波義歯洗浄装置でも同様の実験を行い,機械的な1分間のブラッシングによる評価も行った.その結果,最もプラーク除去効果が高かったのは試作超音波発振装置と強酸性電解水であり,この組み合わせによる15分間の洗浄は1分間の機械的なブラッシング以上のプラーク除去効果が認められた.また試作超音波発振装置と強アルカリ還元水の組み合わせた15分間の洗浄では1分間の機械的なブラッシングと同程度のプラーク除去効果が認められた.また市販の超音波義歯洗浄装置は試作超音波発振装置と比較して有意にプラーク除去効果が低かった.以上の結果より,特定周波数(1.6Mhz)の超音波振動を用いた洗浄方法は口腔内で成熟したデンタルプラークの除去に有効であることが分かった.これらの研究成果に関しては関連学会で発表済みである. 本研究課題は,特定超音波振動を用いた洗浄方法をインプラント周囲炎の治療法に応用することを目的としている.平成19年度に行った研究によって得られた成果は,インプラント周囲炎の新しい治療システムを開発するうえで非常に重要であり,有意義であると考えられる.
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Research Products
(5 results)