2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックラットを用いた舌癌感受性遺伝子の同定
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19791382
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
平野 真人 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70381184)
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Keywords | 舌癌 / 感受性遺伝子 / トランスジェニック / 4NQO / 化学発がん |
Research Abstract |
4NQO誘発ラット舌癌モデルを用いて、複数の舌癌関連遺伝子座Tscc1〜5のマッピングに成功し、この中でも特にTscc1は最もロッドスコアが高く、舌癌発生に強く関与していることが推定された。さらに、遺伝子相同地図より、Tscc1の候補遺伝子としてNQO1遺伝子が強く疑われたため、NQ01遺伝子と発癌との関連を検索する目的で、舌癌高感受性DAラット由来の遺伝子を舌癌低感受性WFラットに導入したトランスジェニックラットの作成を試み、作成することに成功した。 次に、このトランスジェニックラットを繁殖維持と実験を行なう群に分け、実験群は0.001% 4NQO水溶液を、作成したトランスジェニック(Tg)ラットとコントロールラットであるWFラットに飲用水として経口的に連続投与を行い舌癌発生実験を行った(Tgラット5匹、WFラット5匹)。その結果、トランスジェニックラットおよびWFラットともに扁平上皮癌の発生が見られず、上皮異形成も見られなかった。以上の実験結果からは、NQO1遺伝子はTscc1の候補遺伝子として不適切であることも考えられるが、現在、さらに検体数を増やし発癌実験を行い、検討中である。
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