2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791383
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
鬼頭 慎司 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (80347682)
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Keywords | 悪性腫瘍細胞 / アポトーシス / AgNORs / nucleolin / nucleophosmin / RNAi / UV照射 / FDG-PET |
Research Abstract |
核内蛋白の動向からみた口腔顎顔面領域の悪性腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘導経路についてさらに検討している。CDDP、MMC、DXR等の頭頸部領域で用いられる抗癌剤やUV照射により悪性腫瘍細胞にアポトーシスを誘導した。アポトーシスの誘導に伴い正常細胞では核小体相当部位で強力にドット状に反応するAgNORsは分解され、核小体相当部位での強力な反応は消失した。さらにはNORs構成蛋白の一つであるnucleolinは免疫蛍光抗体染色によりAgNORsと同様な変化を示した。nucleophosminについても同様の細胞内局在の変化を示した。鍍銀染色を用いたウエスタンブロッティング変法、抗nucleolin抗体を用いたウエスタンブロッティングでは110kDaの蛋白がアポトーシス誘導に伴い95kDaと80kDaの蛋白に分解された。変法と抗nucleolin抗体を用いたウエスタンブロッテイングにおける分解が完全に一致した。またnucleolinの動向がアポトーシスの指標となりうるものであり、悪性腫瘍の予後判定への適用につながるという面においても非常に意義のある結果となっている。nucleolinの変化が遺伝子レベルで調節されているかどうかを調べる為、半定量PCR法を施行したが、アポトーシス誘導に伴う明らかなmRNAレベルの変化は認められなかった。この変化は翻訳後レベルで行われていると考えられる。現在、RNAiを用いた実験系を構築中であり、各種細胞における至適トランスフェクション条件が判明してきている。nucleolinのみではなくその関連蛋白を中心に、核内蛋白のアポトーシス実行機構との関わりについてさらに検討中である。また、FDG-PETをはじめとする生体内の代謝がわかる臨床画像と基礎実験の融合を目指している。
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