2007 Fiscal Year Annual Research Report
IL-18を用いたヒト骨肉腫に対するサイトカイン療法の有効性向上に関する研究
Project/Area Number |
19791388
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
山根木 康嗣 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (00434944)
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Keywords | 骨肉腫 / サイトカイン療法 / IL-18 / HDACI |
Research Abstract |
骨肉腫は骨原発悪性腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍であり、その治療には広範切除と術前・術後の化学療法が行われているが、再発・転移がおこると予後は著しく悪い。従って再発・転移を防ぐ新たな治療法の開発が強く望まれている。ヒト骨肉腫細胞は膜結合型Fas(Fas)を発現しており、免疫療法は骨肉腫の治療法の一つとして検討される価値がある。しかしながら骨肉腫はFasの他に遊離型Fas(sFas)を分泌しているので、Fas Ligand(FasL)-Fas系を介する免疫細胞の攻撃に対して抵抗性を示す。そこで我々は3種類のヒト骨肉腫細胞株(OS)を用いIL-18のOSに対する直接的な影響を検討した。その結果、細胞増殖、mRNAおよびタンパク発現レベルでFasの発現には全く影響をおよぼさず、sFasの分泌においても対照群に比して変化はみられなかった。次に4種類のOSを用いhistone deacetylase inhibitorであるsodium valproate(N-VPA)がOSのFasL抵抗性に及ぼす影響を検索した。N-VPAは全てのOSに対して濃度依存的に細胞増殖を優位に抑制したが、Fasの発現にはほとんど影響を及ぼさなかった。しかし、N-VPAはOSによるsFasの分泌を抑制し、N-VPAの前処置はFas抗体(CH-11)によるOSのapoptosisをVPA濃度依存的に増加させ、そのメカニズムはCaspase8と3の活性によって証明された。これらの結果よりN-VPAはsFasの分泌を抑制し、FasLに対する感受性を増加させ、OSの免疫細胞抵抗性を減弱させることがin vitroで示された。
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