2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791389
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗原 直之 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (00375099)
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Keywords | IL-10 / 根尖性歯周炎 / 炎症性骨吸収 / トランジェニックマウス / サイトカイン / IL-1 / TNF-α / RANKL |
Research Abstract |
H19年の実験において、IL-10TRマウスの血清中、ならびに病変部のIL-10量はWTに比較して有意に増加していたものの、マイクロCTによる骨吸収量において両者に有意差はみられなかった。よって、IL-10の存在が無いと根尖性歯周炎の骨吸収が促進されるが、過剰なIL-10発現により根尖性歯周炎の骨吸収が抑制されないことが示唆された。この結果を踏まえ、本年度は骨吸収サイトカインとしてコンセンサスが得られているIL-1およびTNF-αをノックアウトすることにより骨破壊を抑制できるか否かについて、IL-1α、βダブルKOマウスおよびIL-1α、βおよびTNF-αトリプルKOマウスを用いて検討した。 その結果、IL-1α、βダブルKOマウスおよびIL-1α、βおよびTNF-αトリプルKOマウスにおいて、骨吸収マーカーであるRANKLは細菌感染によって有意に増加した。一方、骨吸収抑制作用を有するIFN-γ、IL-12(Th1 cytokines)とIL-10(Th2 cytokine)が増加していたことから、RANKLの骨吸収効果を相殺させている可能性が示唆された。 以上より、病変部の破骨細胞分解因子であるRANKLがIL-1α、βまたはIL-1α、βおよびTNF-αのノックアウトにより増大するにもかかわらず、根尖部の骨吸収量が増大しないことから骨吸収抑制機構が働き、恒常性を維持していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)