2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯痛に対する交感神経の末梢修飾機序の解明と疼痛制御に関する研究
Project/Area Number |
19791390
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
示野 陽一 Tohoku University, 病院, 医員 (70447168)
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Keywords | WGA-HRP / 交感神経 / 炎症歯髄 / 発芽 / ラット |
Research Abstract |
交感神経は全身の機能を調節する自律神経である。近年、感覚神経が損傷されると交感神経が発芽し、感覚神経との間にcross talkが出現して痛みが修飾されること(交感神経依存性疼痛)が報告されている。歯痛においても、特発性歯痛は交感神経依存性疼痛の範疇に含まれる可能性が示唆されている。本研究では、歯髄の痛みに対する交感神経の末梢修飾機序を明らかにすることを目的として、神経の順行性輸送を利用した神経回路標識法を用い歯髄炎における交感神経の発芽およびその意義について検索した。 実験動物としてウィスター系ラット14匹(300〜400g、成熟オス)を用いた。窩洞形成を行った7匹を炎症歯髄群、窩洞形成を行わなかった7匹を正常歯髄群とした。1) 窩洞形成 : 上顎左側第一臼歯近心咬頭に窩洞を形成した。2)WGA-HRP注入 : 臼歯窩洞形成後18日目、左側上頸神経節に5%WGA-HRPを注入した。3) 灌流固定 : 臼歯窩洞形成後21日目に灌流固定を行った。4) 電顕観察 : 厚さ90nmの超薄切片を作製し、鉛染色後、電顕観察を行った。 正常歯髄群では、交感神経の神経終末を示すWGA-HRP反応物は電子密度の高い塊状物として観察され、この反応物は象牙芽細胞層および象牙芽細胞層直下に散在していた。象牙芽細胞層において、WGA-HRP反応物の大部分は象牙芽細胞体と近接していた。象牙細管内においては、象牙芽細胞突起に近接して無髄神経終末が認められたが、WGA-HRP反応物は観察されなかった。炎症歯髄群では、修復象牙質直下の象牙芽細胞層において象牙芽細胞の配列は乱れており、この部位でWGA-HRP反応物が多数認められた。また、修復象牙質形成により象牙前質に封入された象牙芽細胞が多くみられ、その象牙芽細胞体に近接してWGA-HRP反応物が観察された。象牙細管内の象牙芽細胞突起にはWGA-HRP反応物は認められなかった。
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Research Products
(2 results)