2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄におけるFgf19シグナルの機能解析とその臨床的展開
Project/Area Number |
19791391
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大井 智恵 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部, 非常勤講師 (30431935)
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Keywords | Fgf18 / 歯髄 / 歯胚 / 歯の発生 / 成長因子 |
Research Abstract |
Fibroblast growth factor (Fgf) 18はFgf8ファミリーに属する成長因子であり、骨・軟骨形成に重要な働きを担っていると考えられている。Fgf18は歯髄において発現が高いことがラット歯髄組織を用いたDNAアレイにより明らかになった。しかし、Fgf18が歯髄組織においてどのような機能を担っているのかはいまだ不明である。今回、歯髄組織の発生に伴ってFgf18がどのような発現様態をとりうるのか、Fgf18ノックアウトマウスにおいてはどのようなフェノタイプを示すのかについて検討した。 マウス歯胚におけるFgf18のmRNA発現を、Fgf18特異的なDIGラペルRNAプローブを用いたin situ hybridization法にて検討したところ、蕾状期には発現はほとんど認められなかったが、帽状期、鐘状期には将来歯髄に分化する組織である歯乳頭ならびにエナメル質形成に関与する内エナメル上皮に発現が認められた。同部位においては、Fgf18のリセプターであるFibroblast growth factor receptor (Fgfr) 2cおよび3cも発現していることが確認され、この部でFgf18を介したシグナルが働いている可能性が示唆された。 Fgf18のノックタクトマウスにおいては、歯のサイズが小さい傾向にあった。特に切歯においては顕著であった。このことから、Fgf18は歯および歯髄の発育に重要な因子の一つであることが推察される。今後、さらに成熟歯髄組織における機能について検討を進める。
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