2007 Fiscal Year Annual Research Report
デンタルユニット給水系バイオフィルムの実験モデルの確立と関連遺伝子の解析
Project/Area Number |
19791396
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
薮根 敏晃 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 助教 (90423144)
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Keywords | デンタルユニット / バイオフィルム / in vitroモデル / 給水系 / 汚染 / 従属栄養菌 |
Research Abstract |
本年度は、デンタルユニット給水系バイオフィルムの形成に関与する細菌の同定と、それらを用いてのin vitroバイオフィルムモデルの作成を試みた。 1.大阪大学歯学部附属病院において使用されているデンタルユニットより水サンプルおよび給水チューブ内面に形成されたバイオフィルムサンプルを採取し、R2A寒天平板培地に播種して25℃、7日間の好気培養を行った。形成された優勢なコロニーを単離培養して同定を行った結果、Sphingomonas paucimobilis,Methylobacterium mesophilicum,Acinetobacter haemolyticsであると判明し、これら三種の従属栄養菌がユニット給水系のバイオフィルム形成の原因菌であることが明らかとなった。 2.実験1により同定された各細菌の懸濁液中に、給水チューブとして頻用されているウレタンチューブを浸漬し、菌種ごとのチューブへの付着性を走査型電子顕微鏡観察により評価した。その結果、桿菌であるS. paucimobilisとA. haemolyticsf、系状菌であるM. mesophilicumよりも付着能が強いことが分かった。 3.実験1により同定された三種の細菌混谷懸濁液中にウレタンチューブを浸漬し、各種の条件で培養を行った後にチューブ内面の走査型電子顕微鏡観察を行い、臨床でのバイオフィルム像に近い培養条件を検索した。その結果、S.paucimobills.M.mesophilicum.A.haemolyticsを18:1:1の比率で混合した菌液を用い、静置下にて25℃、48時間の好気培養を行うことにより臨床像に類似したバイオフィルムを再現できるごとが分かり、in vitroバイオフィルムモデルの確立に成功した。
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