2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯質石灰化促進材を応用した象牙質再生誘導覆髄法の検討
Project/Area Number |
19791398
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神農 泰生 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60403490)
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Keywords | 再石灰化 / 歯髄保護 / 象牙芽細胞分化 |
Research Abstract |
マウス、ラットの組織幹細胞の樹立、培養に関しては、本年度の当講座の機器では十分な信頼性が得られず、断念した。代替案として、ミシガン大学で樹立されたマウス歯乳頭由来幹細胞であるMDPC-23細胞を用いて実験を継続した。 歯質再石灰化促進材として本年度は2種類の材料について検討した。一方はGC社試作の2液を混合することでリン酸カルシウム結晶を生成し、石灰化を促進するRE-06を用いた。他方はサンメディカル社試作のコラーゲンを配合し、生体親和性を高めたエチレンビニルアルコールを従来製品であるスーパーボンドに添加した、EVA+C添加型スーパーボンドを用いた。 MDPC-23(マウス歯乳頭由来幹細胞)を用いてのin vitroでの細胞毒性実験の結果、RE-06は細胞増殖能、アポトーシス細胞数において、多少の細胞為害性が見られるケースもあるものの、pH等の条件の調整により細胞への影響はほとんど認められなかった。EVA+C添加型スーパーボンドでは、従来の材料とほぼ同等にほとんど細胞為害性が認められなかった。 また、細胞分化に関して、BMP-2、BMP-4、RUNX2、DSPP等の石灰化誘導細胞への分化を示す遺伝子発現について観察し、両材料ともに一定の分化傾向があることが確認できた。しかし、in vitroでの石灰化は観察されなかった。 本年度の研究成果は次年度学会発表において行い、その後論文にて発表する予定である。さらに、併行してin vivoでの検討を行う予定である。
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