2007 Fiscal Year Annual Research Report
Er:YAGレーザー齲蝕治療歯に対する接着システムの開発
Project/Area Number |
19791399
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大前 正範 Okayama University, 医学部歯学部・附属病院, 助教 (10403487)
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Keywords | Er:YAGレーザー / 象牙質 / XPS / 接着 |
Research Abstract |
平成19年度は基礎的な分析研究として、Er:YAGレーザー照射象牙質の元素解析・定量を行った。この実験により、Er:YAGレーザー照射象牙質は健全な象牙質に比べ、Ca,P,Nの結合エネルギーが有意に増加していること、元素の解析ピークが減少していることが明らかとなった。また、元素の定量結果より、Ca量が有意に低下していることが明らかとなった。その結果、Ca/P比が低下し、脱灰様の現症を示していることが認められた。現在、この研究結果は論文投稿中であり、学会でも発表予定である。さらに、Er:YAGレーザーを用いてう蝕細菌感染象牙質を除去し、コンポジットレジンを充填しコンポジットレジンの接着強度を測定した。Er:YAGレーザーで感桑歯質を除去し、う蝕影響象牙質を保存しコンポジットレジンを接着した場合の接着強度は、回転切削器具を用いて同様の処置をしたときと同じ程度の接着強度を示した。また、Er:YAGレーザーでう蝕を除去し、コンポジットレジンを充填した場合は、回転切削器具で除去した場合に比べ、比較的太く長いレジンタグが形成される傾向があった。しかしながら、う蝕影響象牙質に筆者が提唱しているグルタルアルデヒドによる前処理の効果は認められず、う蝕影響象牙質と健全象牙質に対するグルタルアルデヒドの影嘗は異なることが示唆された。この研究結果は第10回Er:YAGレーザー臨床研究記念大会で発表を行った。これらの結果を踏まえ、現在はEr:YAGレーザー照射象牙質に対するレジンモノマーの浸透性を検討を行っている。
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