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2008 Fiscal Year Annual Research Report

歯髄組織のロバストネス強化による歯髄炎予防に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19791400
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

浅野 将宏  The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30335822)

Keywords歯学 / 歯髄炎 / ロバストネス / 抗菌ペプチド / カルプロテクチン / ディフェンシン
Research Abstract

歯髄組織は、その周辺を硬組織に囲まれている特殊な環境にあるため、歯髄の起炎細菌による感染の進行に対しては抵抗力が弱い。そのため、不可逆性歯髄炎の治療に際しては感染歯髄を除去する必要があり、長期にわたり健全な口腔機能を維持する観点から不利は否めない。
そこで本研究計画は、生体が本来有するバイオロジカルロバストネス(生物学的頑強性)の概念を、歯髄組織において強化して応用しようとするものである。
我々は、歯髄組織においてロバストネス強化となる主体は、カルプロテクチンやディフェンシンといった抗菌ペプチドであると考えるため、それらを医療に応用するためには、まず歯髄組織におけるそれら遺伝子発現の様態を確認する必要があると思われた。
そこで、同意を得て提供されたヒト健全抜去歯から歯髄組織を無菌的に分離し、歯髄細胞を培養した。その培養した歯髄細胞からRNAを抽出し、各種抗菌ペプチドの遺伝子発現をRT-PCR法を用いて調べた。
その結果、炎症と深い関連を有し、自然免疫の重大な役割を担っているとされるディフェンシン遺伝子や、S100A8/A9遺伝子、アドレノメデュリン遺伝子、シスタチン遺伝子の恒常的な発現を確認した。
抗菌ペプチドが分泌に至るまでには、様々な因子が関与していることが知られている。そこで、歯髄細胞培養系に、各種因子を添加してそれによる抗菌ペプチド遺伝子発現の変化を確認した。その結果、ディフェンシン遺伝子は、炎症性サイトカインとされるIL-1βによって、リポカリン遺伝子は、細菌自体の起炎物質であるLPSによって、それぞれの発現が何らかの調節を受けていることが判明した。
最終的に、抗菌ペプチド分子の産生や分泌を制御するためには、その遺伝子発現の経路や転写因子による制御を知る必要があるため、今後にそれらを展開していく必要がある。

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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