2010 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質歯髄複合体培養系を用いた温度痛覚受容体の発現とそのメカニズム解析
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19791404
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
達山 祥子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70347095)
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Keywords | 象牙芽細胞 / 歯髄細胞 / VR-1 / TRPV8 / 温度感受性イオンチャンネル / 象牙質歯髄複合体 |
Research Abstract |
象牙質知覚過敏症において、動水力学説(歯の根面の露出等により、象牙細管の入り口が開口し、外部刺激により象牙細管内溶液が動くことにより、歯髄や内層象牙質に存在する自由神経終末を機械的に刺激し、痛みを誘導する説)が現在最も広く受け入れられているが、この説だけでは十分に説明できない部分もまだ残っている。最近では、象牙芽細胞自身が感覚受容細胞としての機能を持ち、外部からの刺激を痛覚神経線維に伝えるという象牙芽細胞受容器説が徐々に研究されつつある。求心性の感覚神経には6つの温度感受性イオンチャンネルがあり、それらは異なる温度帯を閾値としている。熱刺激を感受するものではVR-1(>43℃)、冷刺激を感受するものではTRPM8(<25℃)があげられる。われわれは、これまでに1)VR-1がヒト歯髄細胞において発現すること、2)温熱刺激によりVR-1が活性化し歯髄炎を増悪する可能性があること、3)TRPM8が歯髄細胞、象牙芽細胞に発現すること、4)ラット歯髄の横断薄切標本におけるTRPM8の発現を確認してきた。今年度においては、TRPM8の機能について更なる検討を加えるために、擬似的な冷刺激メントールで歯髄細胞、象牙芽細胞を刺激し細胞の反応を解析した。結果、熱等による刺激で発現し細胞を保護するとされるタンパク、ヒートショック蛋白(HSP70、HSP27)の発現の増加は特に認められなかった。温度感受性イオンチャンネル(VR-1およびTRPM8)はヒト歯髄細胞および象牙芽細胞において発現しており、歯における温度刺激の引き起こす痛み、知覚過敏症において何らかの役割を担っている可能性があるが、そのメカニズムはまだ分かっていない。今後さらにこれらの機能について検討していきたい。
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