2007 Fiscal Year Annual Research Report
グリコサミノグリカンが有する歯髄細胞増殖・分化能を応用した歯髄再生療法の開発
Project/Area Number |
19791406
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
永吉 雅人 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (30382419)
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Keywords | GAG / 歯髄細胞 / 歯髄再生療法 |
Research Abstract |
グリコサミノグリカン(glycosaminog lycan:GAG)は歯髄や多くの組織に豊富に存在する細胞外基質であり,ヒアルロン酸やケラタン硫酸等の多くの種類が存在している。最近,各種GAGが細胞の増殖・分化に影響を与える事が報告されている。今回の研究目的は,生体親和性が高く,入手が比較的容易なGAGが歯髄細胞の増殖、分化に与える影響を検討し,歯髄再生療法に応用可能かどうかを調べる事にあり,今年度は下記に示す実験を行なった。 (実験)『歯髄細胞の増殖・分化を促進するGAG特定ならびに至適濃度の決定』 ラット切歯歯髄より,石灰化能やdentin sialophosphoproteinの発現等,象牙芽細胞様細胞の特徴を有する歯髄細胞株(KN-3細胞)を実験に用いた。KN-3細胞に各種GAG(ヒアルロン酸,ケラタン硫酸,およびデルマタン硫酸)を作用させ,一定期間培養後,細胞増殖能とおよび歯髄細胞分化に関与するタンパク質発現の解析を行なった。細胞増殖能は,細胞増殖時に取り込まれるBrdU量を測定し,また歯髄細胞分化に関しては,石灰化の指標とされているアルカリ性ホスファターゼ(ALPase)活性の変化を検討した。以上の方法により,現在,歯髄細胞の増殖・分化を誘導するGAGの特定ならびにその至適濃度を検討しているところである。今後は培養歯髄細胞に口腔内細菌由来のLPSを作用させた後にヒートストレスを加え,その後,特定したGAGを作用させて一定期間培養後,歯髄細胞の細胞生存率と細胞周期の変化を解析すると供に,ウエスタンブロッティング法,免疫組織化学的手法によりDSP,Runx2の発現を解析し,LPS,ヒートストレスによる刺激を受けた歯髄細胞へのGAGの影響を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)