2007 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕病変のμCT立体構築と再石灰化現象の4次元解析
Project/Area Number |
19791416
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
柬理 頼亮 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (40366761)
|
Keywords | 歯学 / 病理学 / う蝕 / 脱灰 / 再石灰化 / μCT / 立体構築 / 4次元観察 |
Research Abstract |
これからのう蝕研究と臨床治療においては、小窩裂溝う蝕の診断・予防と再石灰化によるう蝕病変の回復が大きな課題となっている。本研究課題では、天然歯裂溝う蝕を対象として、μCT法による歯質内部での質的・量的変化についての非破壊的検出法を確立し、裂溝う蝕を対象とした再石灰化実験モデルへの応用を到達目標とする。本年度においては、μCT立体構築とミネラル濃度表示により病変の形状と脱灰の進行度を評価する実験プロトコールを確立することを目的として、ヒト抜去歯から平滑面白斑う蝕、実質欠損を伴っていない裂溝う蝕、根面の活動性および病巣の広範囲が黒褐色を呈する停滞性のう蝕病変を対象として、う蝕病変を含む歯質ブロックを切り出し、再石灰化溶液に浸漬するなかで時系列でのμCT立体観察とミネラル濃度変化を定量解析した。本年度の到達段階として、う蝕の病巣の拡がりを3次元的に視覚化できること、再石灰化処理によるう蝕病変への効果判定に必要なアパタイト密度を変えた標準物質の検量線を設定し、歯質の無機塩濃度分布を立体表示できること、再石灰溶液への浸漬時間にともなう表層下脱灰病巣の広がり範囲と石灰化度の変化を時間軸で追跡する4次元観察に向けては、同一試料から空間座標と無機塩濃度について時間軸を異にしても再現性よい画像データが得られることを確かめている。再石灰化反応が惹起される部位的特異性と裂溝形状との関連を明らかにする目的で、無機塩濃度表示した立体構築像の間での差分演算により、再石灰処理による無機塩濃度の向上が認められた領域を同定できることを確かめている。μCT法による4次元観察では、これらの実験方法の詳細と画像情報については、出版物とWeb上に公開した。
|