2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791417
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
川崎 弘二 Osaka Dental University, 歯学部, 講師 (80309187)
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Keywords | 感染象牙質 / QLF浩 / 早期う蝕診断 / う蝕治療 |
Research Abstract |
う蝕の治療において感染象牙質の除去が不十分であった場合、う蝕の再発を招く原因のひとつとなるため、感染象牙質の有無の診断は再発予防を考慮した修復治療における重要なポイントとなる。一般に感染象牙質の診断は視診による色調の変化、触診による象牙質の硬さ、う蝕検知液による染色などが指標となるが、これらの主観的診断は標準化が困難である。QLF法による診査は感染象牙質が発する蛍光をデジタル画像としてコンピュータに取り込み画像解析を施すもので、定量的に感染象牙質の性状を詳細に評価できる可能性がある。本年度における本研究課題では、ヒトを対象に感染象牙質の除去を行う際に段階的なQLF(quantitative light-induced fluorescence)法による評価を行い、感染象牙質の除去に対するQLF法の応用の可能性について検討した。被験者は臨床的に修復治療が必要な象牙質に達するう蝕を持ち、インフォームド・コンセントによる内容説明を行い、実験の参加に同意を得た健康な成人とした(大阪歯科大学医の倫理委員会承認)。視診による色調の変化、触診による象牙質の硬さを診断基準として感染象牙質の除去を行う際、段階的にQLF法による評価を行った。QLF法による画像解析の結果、すべての被験歯において最大蛍光強度を示すΔR Max値はう窩の開拡に伴って上昇し、感染象牙質が露出すると最大値を示したのち、感染象牙質の除去が進むにつれ低下するという山型の変化を示した。すなわち、ΔR Max値は感染象牙質の除去に対応した局所的な蛍光強度の変化が観察でき、QLF法の応用により感染象牙質が定量的に評価できる可能性のあることが明らかとなった
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