2007 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプラズマCVD法を用いた多孔性チタニア膜によるチタンインプラント表面改質
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19791422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽鳥 弘毅 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (40372320)
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Keywords | 骨誘導インプラント / ECRプラズマ / ECRプラズマ酸化 / チタニア膜 / 生体親和性 / 石灰化能 / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究では、骨誘導インプラントの開発を目的とし、ECRプラズマによりチタン基板上にチタニア膜を作製し、ECRプラズマ酸化条件の違いによるその生体親和性および石灰化能の比較検討を行った。石灰化能の比較およびオクタリン酸カルシウム(OCP)析出方法はリン酸緩衝液へ浸漬したサンプルヘリン酸溶液とカルシウム溶液を注下することにより行った。平成19年度の実験ではECRプラズマ酸化条件のうち酸化時間、基板加熱温度、チャンバー内全圧、チャンバー内ガス分圧にしぼり、マイクロ波出力は900Wに固定し実験を行った。まずチャンバー内ガス分圧はプラズマの活性を目的としたアルゴンと酸素、または酸素のみで石灰化能の比較を行ったが大きな差はみられなかったため、以後の実験は酸素のみで行った。チャンバー内全圧0.11PaでECRプラズマ酸化時間、チタン基板加熱温度を変化させ製作したサンプルの比較では酸化時間30分、基板加熱温度450℃で最も石灰化が促進された。またチャンバー内全圧の比較では0.015Paで石灰化が促進し、基板加熱温度は300℃で最も石灰化量が多くなり、これはチャンバー内全圧0.11Paでの実験と比較しチタニア膜作製が低温化されたと考えられる。低温化はSEM像からも観察された。チタニア膜はチタン基板との熱膨張率が異なるため基板過熱温度が上がるほどチタニア膜はダメージを受けてしまう。このことからチタニア膜の低温、短時間での作製は非常に重要であるが、これはチャンバー内全圧を高真空にすることにより達成された。また石灰化物はXRDによりOCPであり擬似体液SBFへの浸漬後ハイドロキシアパタイト(HA)への転換が確認された。今後の実験計画としてチタニア膜上での細胞培養実験、動物実験を計画している。
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