2008 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプラズマCVD法を用いた多孔性チタニア膜によるチタンインプラント表面改質
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19791422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽鳥 弘毅 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (40372320)
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Keywords | ECRプラズマ酸化 / 多孔質チタン / 薄膜引張り試験 / ぬれ性試験 / 超親水性 / 表面改質チタン / 石灰化能 / 生体親和性 |
Research Abstract |
平成20年度はECRプラズマ酸化の最適条件の検索、及び多孔質チタン基板へのECRプラズマ酸化の応用についての検討を行った。これまでと同様にECRプラズマ酸化条件を圧力、温度、時間の3系統それぞれ5段階に変化させてその最適条件を絞り込んだ。薄膜引張り試験では機械的強度は500kg/cm^2程度を示した。ぬれ性試験では試料作製からの時間による変化はあるが接触角5°以下となる超親水性を示すものもあった。さらに、質量増加率の測定により石灰化能を測定した結果、圧力、温度、時間系それぞれの変化による依存性も示された。これらの所見よりECRプラズマ酸化を施した表面改質チタンにおいて生体応用時に有用なものである可能性が示された。これまでの実験結果より、他の方法を用いたチタン表面への酸化被膜の作製に比べて本方法の利点である低い温度、短時間での早期の生体への適合を得られる酸化被膜の作製が可能であることが示され、これらを満たす条件は全圧0.015Pa、基板加熱温度300℃、基板加熱時間30分であった。現在この条件による表面改質チタンを用いて骨芽様細胞、線維芽様細胞を用いて細胞付着、細胞増殖及び細胞遊走能に関して観察を行っている。これにより細胞への為害性が無いことが確認された所で小動物への埋入を行い生体親和性について深い検討を行っていく予定である。また、生体への調和を目的としたヒト皮質骨と同程度である弾性率20Gpa付近の多孔質チタン基板へのECRプラズマ酸化の応用をする為に予備実験を行い、その結果を元に作製したECRプラズマ酸化処理を施した多孔質チタン基板の表面性状の解析、及び石灰化能の測定を行っている。
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