2008 Fiscal Year Annual Research Report
主成分分析を応用した咀嚼筋痛がもたらす咀嚼運動経路変動の解明
Project/Area Number |
19791423
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩松 正明 Tohoku University, 病院, 助教 (30343031)
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Keywords | 咀嚼筋 / 筋痛 / 咀嚼運動 / 主成分分析 |
Research Abstract |
咀嚼運動を遂行する筋活動は、顎顔面口腔領域からの感覚情報を用いて調節される。したがって、咀嚼筋痛などの侵害刺激は、その部位や性状の違いにより咀嚼運動経路に様々な変化を及ぼすと考えられる。しかし、その変化の様相は未だ明らかではない。 そこで本研究では、主成分分析を応用して、咀嚼筋痛がもたらす咀嚼運動経路の変化を定量的に解析することを試みた。各被験者に書面にて本研究の内容とその安全性を説明し同意書を徴するとともに、プライバシー保護に対して十分配慮の上、以下の実験を行った。 右側咬筋中央部に高張塩水0.15mlを10〜15かけて注入し、片側ガム咀嚼時の咀嚼筋活動と下顎切歯点の運動経路を三次元的に記録した.一連の運動経路は咀嚼周期ごとに分割し被験者ごとに得られた200周期の咀嚼サイクルを解析に用いた. 各咀嚼サイクルの経路上に, 所要時間をもとに41の標識点を設定し, それらの三次元座標である計123の変数を主成分分析に供した. その結果, 実験的疼痛を加える前後で咀嚼経路の変動は7つの独立した主成分でその90%上が記述されることが明らかとなった。また各主成分がもたらす経路への影響は, 固有ベクトルの逆行列を用いて経路を再構成することで, 視覚的に解釈を行った. その結果, 経路の大きさに関与する成分, 前頭面および矢状面における開口方向にそれぞれ関与する成分, 経路の幅径に関与する成分がすべての被験者で観察され、実験的疼痛を加えた場合でも、これらの成分が抽出された。
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Research Products
(1 results)