2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791424
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水戸 祐子 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (00431586)
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Keywords | 咀嚼 / 口腔感覚 / 消化 / 胃運動 / 胃電図 / 胃排出速度 |
Research Abstract |
咀嚼に伴って生じる口腔感覚が迷走神経を介して消化管運動に関与することが擬似咀嚼(sham feeding)の研究から知られているが、その詳細は不明な点が多い。本研究では咀嚼が消化吸収に要する時間や消化管機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。昨年度は試験食品の咀嚼とは別にガム咀嚼を行わせることで咀嚼動作を増加させた際の胃の運動を検討した結果、10分間のガム咀嚼によって胃の運動が賦活されることが観察された。そこで本年度は、将来的に消化管の賦活を目的とした咀嚼訓練へ応用することをめざして、咀嚼動作を行う時期を検討することとした。液状経腸栄養剤を試験食に用い、ガム咀嚼を行う時期を変化させることで胃への食物の流入と咀嚼動作の時期を個別に設定し、咀嚼動作の時期が胃排出速度と胃の電気的活動に及ぼす影響を検討した。 健常成人男性4名を被験者とし、^<13>C呼気試験法による胃排出速度と経皮的胃電図法による胃の電気的活動を食後4時間、同時測定した。試験食は液状食400kcalとし咀嚼動作は10分間のガム咀嚼のみで与え、咀嚼動作を行う時期を1)試験食摂取直前2)試験食摂取終了の30分後3)試験食摂取終了の60分後の3条件とした。その結果、3条件間で胃排出速度や胃電図の一般的な評価パラメータに統計学的な有意差は認めなかった。 今回の被験者4名の検討では、咀嚼動作の時期の違いによる胃運動への影響は全員に一定の傾向は認めなかったが、被験者によっては咀嚼動作の時期の違いが胃の運動に影響を与えることを推察させる結果が得られたので、今後実験条件の再検討を行いさらに発展させていきたいと考えている。
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