2007 Fiscal Year Annual Research Report
能動的教育を目指した歯学臨床教育法の開発ー電子化ポートフォリオの開発ー
Project/Area Number |
19791438
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 康司 Okayama University, 医学部歯学部・附属病院, 助教 (30304322)
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Keywords | ポートフォリオ / 歯学臨床教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は,教育者の負担をさほど増大することなく多人数の歯学臨床における学習者に教育する方法としてコンピューター(PC)を応用し,PCベースのポートフォリオの構築とその運用による教育効果を評価することにより,新規歯学臨床教育法の開発を検討することである。 <PCベースのポートフォリオの構築> 岡山大学医学部・歯主部附属病院卒後研修センター歯科部門内にサーバを設け,院内の限定されたPCとともにアプリケーションソフトをインストールした。入力項目は研修開始・研修月報・研修日報・その他の研修・患者記録とし, 研修歯科医は,それぞれに対して目標・目標達成の方法・感想・課題等を入力できるように設定を行った。このPCに研修歯科医はその日経験したことについて入力を行い,その後指導歯科医は,内容をチェックし研修歯科医へフィードバックを行うようになっている。 <平成19年度の運用の概要> 1年間試験的に運用を行い,入力されたデータをまとめたところ,電子ポートフォリオに入力された日報数の合計は,19,061データ(研修医1人平均453.8データ,最低249項目,最高818項目),項目数は28,888項目(同平均687.8項目) であった。診療内容では,歯周治療が31.7%と最も多く,ついでCr-Brが16.2%,有床義歯が11.6%の順であった。 次いで、アンケートによる電子ポートフォリオに対する評価を行ったところ,約95%の研修歯科医が「指導歯科医のフィードバックが役に立つ」と評価しているなど,研修歯科医・指導歯科医ともに研修を行う上で概ね有効であると評価をしていた。一方,入力することを負担に感じたり,達成感を感じない者も約20%存在するなど改善すべき点もあることが分かった。
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