2009 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒酸化チタンコーティング剤による義歯床のプラークコントロールに関する研究
Project/Area Number |
19791453
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
槙原 絵理 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (30433402)
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Keywords | 光触媒酸化チタンコーティング水溶液 / デンチャープラークコントロール / 有床義歯 |
Research Abstract |
歯科領域における光触媒酸化チタン薄膜コーティング水溶液の研究としては,義歯床に付着した色素の除去効果について報告されている程度で,除菌効果について検討した報告は見あたらない. 本研究の目的は,光触媒酸化チタン薄膜コーティング剤(TPX;鯤コーポレーション)を義歯用レジン表面にコーティングすることにより,容易にプラークコントロールが行えるか否かについて検討することにある. 今回は,本剤を義歯床用レジン表面にコーティングすることで,タバコのヤニ,紅茶およびカレーの色素に対する除去効果の有無について検討を行った.色素沈着前のレジンプレートではコーティングの有無による色調変化は認められなかったが,3種の色素沈着後のプレートはいずれもコーティングなしの方がコーティングありと比較して色調変化が大きくなることがわかった.また,色素の違いにより,レジンプレートの色調も異なることがわかった.さらに,超音波洗浄後のプレートは,いずれも色素が除去されることがわかった.以上のことより,義歯床表面に光触媒酸化チタン薄膜をコーティングすることにより,色素沈着の予防および除去に有用であると思われた.さらに,超音波洗浄を行うことで効果的に色素除去が可能とあることがわかり,このことを原著論文(光触媒テクノロジーを応用した親水コーティングによる義歯床のプラークコントロールに関する研究第3報コーティング剤が色素沈着に及ぼす影響について.九州歯科学会雑誌63巻18-23頁,2009年)に投稿した. 今後,さらに本剤を塗布することによる義歯床の除菌効果についても検討していく必要があるが,本研究が成就されたならば,現在義歯を使用している患者に対して多大な貢献ができると確信している.
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Research Products
(1 results)