2008 Fiscal Year Annual Research Report
可撤性義歯によるインプラントと天然歯の連結に関する実験的研究
Project/Area Number |
19791459
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀江 伸行 Keio University, 医学部, 助教 (80306810)
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Keywords | 可撤性義歯 / インプラント / 連結 / アタッチメント / 模型実験 |
Research Abstract |
現在のインプラント治療では1歯に対して1歯以上埋入することが基本とされている。しかし高齢化社会の到来にともないインプラント希望患者の高齢化で骨移植や多数歯埋入の手術に対しては全身的にも経済的にも困難な場合が多い。本研究ではインプラント義歯において義歯床を介してインプラントと天然歯を連結することが可能であるかを模型実験によって裏づけを行う。シミュレーション模型は下顎右側第二小臼歯、第一、第二大臼歯欠損を想定した二色レジン製顎模型を用いて下顎右側第一小臼歯の歯根部に厚さ1mmとなるように疑似歯根膜を、また欠損部顎堤を厚さ2mmとなるように疑似顎堤粘膜にて被覆した。欠損部の下顎右側第二大臼歯相当部位には直径3.8mm長さ11mmのXiVEを1本埋入した。補綴装置の設計は直接支台装置として下顎右側第一小臼歯にエーカースクラスプ、間接支台装置として下顎左側第二小臼歯および第一大臼歯に双歯鉤を設定し金銀パラジウム合金にて鋳造作製した。補綴装置の設計条件のうち下顎右側第一小臼歯をO-Pアンカーアタッチメントに変更したものも設定した。インプラントの上部構造は高さ3mmのジンジバルフォーマーのみと同じく高さ3mmのボールアタッチメントの2種類とした。測定システムは精密力量測定機で補綴装置に100Nの荷重をかけた時の補綴装置の垂直的変位量・支台歯の近遠心的変位量・支台歯の歪み量・インプラントの歪み量をひずみゲージおよびCCDレーザー変位センサを用いて測定し、アタッチメントの種類による違いおよび支持のみでのインプラントの利用と維持させた時との違い、その際の天然歯・インプラントに対する負荷の差異を明らかにする。今年度はシミュレーション模型および測定システムを確立し予備実験にとどまったが、今後は義歯床下インプラントにボールアタッチメントを装着し、支台歯と連結した時の義歯の変位および支台歯・インプラントの軸力・曲げモーメントを測定し、固定性のブリッジと比較検討していく予定である。
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