2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体アパタイト結晶がオッセオインテグレーションに与える影響を分析した基礎的研究
Project/Area Number |
19791462
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中田 浩史 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (10349970)
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Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 骨 / 動物 / インプラント |
Research Abstract |
本研究の目的は、インプラント周囲における新生骨の成熟過程について経時的に分析し、結晶の3次元の分布および骨結合強度の分析から相関性を導き、インプラント周囲における新生骨の生体アパタイト結晶がオッセオインテグレーション(骨結合)に与える影響について明らかにすることである。 本年度は、インプラント周囲に形成される新生骨の元素・分子の定性析および定量分析、さらに結合強度分析についてX-ray Photoelectron Spectroscopy ; XPS分析装置を用いてアパタイト結晶の石灰化に関連する経時的変化について分析を行った。XPS分析の測定条件は, X線源 : 単色化AIKα(1486.6eV), 検出領域 : 20μm[], 検出深さ : 約4〜5nm(取出角45°)とした。XPS分析は, Wide Scan測定における定性分析を行い、検出された元素のNarrow Scan測定による結合状態の分析を行った。定量分析の結果(単位 ; atomic%)は, 4週でCa : 8.7, P : 4.9, 8週でCa : 9.3, P : 5.1となり, 皮質骨(Ca : 9.5, P : 5.6)における同元素の結果と比較すると経時的に近づく結果となった。4週のNarrow Scan測定の結果は, 01sでは皮質骨に比べて新生骨の半値幅が小さくなった。P2pでは, 新生骨と皮質骨でピークのシフトを観察した。C1sでは, 286.4〜288eV付近で皮質骨よりもピーク強度の低い部分が見られた。Ca2pでは, 新生骨の半値幅が小さくなった。8週のNarrow Scan測定の結果は, 01sおよびCa2pでは新生骨と皮質骨で半値輻とピーク強度がほぼ一致する結果となった。よって4週と8週で異なる骨質であることが明らかとなり、経時的に皮質骨に折つくことが明らかとなった。
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