2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体アパタイト結晶がオッセオインテグレーションに与える影響を分析した基礎的研究
Project/Area Number |
19791462
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中田 浩史 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (10349970)
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Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 骨 / 動物 / インプラント |
Research Abstract |
本研究の目的は、インプラント周囲における新生骨の成熟過程について経時的に分析し、結晶の3次元の分布および骨結合強度の分析から相関性を導き、インプラント周囲における新生骨の生体アパタイト結晶がオッセオインテグレーション(骨結合)に与える影響について明らかにすることである。 本年度は、インプラント周囲に形成された新生骨の石灰化に関わる骨質変化を明らかにするために、偏光顕微鏡による組織の観察、および顕微赤外分光法であるFTIR Imagingによる新生骨と皮質骨の分子分布から、以下の知見を得た。 本研究は新生骨と皮質骨の境界部において、新生骨の石灰化は皮質骨に接する部位からPO_4^<3->、CO_3^<2->、およびAmide Iの分布量が高くなり、4週から8週にかけて経時的な石灰化が観察された。皮質骨から離れた新生骨において、PO_4^<3->、CO_3^<2->、およびAmide Iは経時的に分布量が高くなるが、皮質骨に接する部位と比較すると分布量は低かった。8週の偏光顕微鏡観察において、皮質骨から伸展する新生骨はHavers層板が観察され、インプラント埋入時の外科的侵襲で血管の断端から派生した微細血管構築より、石灰化の進行が考えられた。そこで新生骨の石灰化は皮質骨に接する部位から微細血管構築により、4週から8週においてXPSでCaとPの経時的な上昇や、FTIR ImagingでPO_4^<3->、CO_3^<2->、およびAmide Iの分布量が高くなり、生体アパタイト結晶がオッセオインテグレーションに与える骨質変化が明らかとなった。
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