2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791466
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
李 淳 Nihon University, 歯学部, 助教 (10386055)
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Keywords | ドパミン神経系 / 顎運動 / 側坐核 / ドパミンD_1受容体 / ドパミンD_2受容体 / 視床背内側核 / アセチルコリン受容体 / turning behaviour |
Research Abstract |
ドパミンD_1受容体アゴニストには, アデニル酸シクラーゼを選択的に活性化するSKF83822とホスホリパーゼCを選択的に活性化するSKF83959が存在する。昨年度はSKF83822とSKF83959のいずれを静脈内投与しても著明な顎運動が発現することを明らかにした。そこで本年度は,その顎運動を運動タイプ別に詳細に解析した。顎運動を4つの運動タイプ[syntactic grooming, non-syntactic grooming, vacuous chewing(closing dominant), vacuous chewing(open dominant)]に分けて解析した結果, non-syntactic groomingにおける顎運動は, SKF83822によって著明に発現したのに対し, SKF83959では有意な発現は認められなかった。一方, 他の運動タイプでは, 両薬物によって同程度の顎運動が発現した。この結果から, 顎運動のタイプによってD_1受容体の関与様式が異なることが示唆された。 一方, 顎運動発現に重要な役割を果たす側坐核からの遠心性投射路を検索する目的で, その投射先の一つとして考えられる視床背内側核(mdT)のGABA_A受容体の役割について検討した。解析のための動物モデルとしては, 片側の側坐核を刺激して発現するturning behaviourを用いた。片側の側坐核のアセチルコリン受容体を刺激して発現するtuming behaviourは, 同側のmdTのGABAA受容体を刺激することで抑制された。一方, 片側の側坐核のドパミンD_1/D_2受容体を刺激して発現するturning behaviourは, mdTのGABA_A受容体を刺激または抑制しても影響を受けなかった。以上の結果から, 視床背内側核のGABA_A受容体は側坐核のアセチルコリン受容体機能に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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