2007 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時ブラキシズム動物モデルの開発と自然睡眠時の咀嚼筋活動の生理学的特性の解析
Project/Area Number |
19791470
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
加藤 隆史 Matsumoto Dental University, 総合歯科医学研究所, 准教授 (50367520)
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Keywords | ブラキシズム / 睡眠 / 咀嚼筋 / 自律神経 |
Research Abstract |
本年度の計画通りまず睡眠時咀嚼筋活動の評価を行い、さらに来年度に向けた薬物投与による予備実験を行った。前者の計画では、防音箱内で自由行動下の動物において脳波、眼電図、頚部筋電図、心電図、咬筋または顎二腹筋の記録をビデオ撮影下で行った。睡眠覚醒および睡眠深度は通法に基づき分類し、ビデオ記録を基に覚醒時の咀嚼筋活動と行動との関連を確認した。また、エポックごとに睡眠覚醒リズムに伴う咀嚼筋活動・脳波活動・心拍数を定量化した。ノンレム睡眠では徐波活動量が高く平均心拍数が低いが、レム睡眠は逆であった。睡眠中のエポックあたりの平均筋活動量は全筋で覚醒時の15〜35%まで減少し、咬筋のほうが顎二腹筋より高かった。一方、覚醒中の筋活動の変動量は全筋で75〜100%であったが、睡眠中は10〜40%まで減少した。咬筋のノンレム睡眠中の変動量は約40%で頚筋・顎二腹筋より約2.5倍高く、レム睡眠中にも似たような傾向が認められた。またこのことから睡眠中の開閉口筋活動発現に関わる調節機構に違いがある可能性が示唆された。これらの結果は本年度歯科基礎医学会で発表し、現在論文作成中である。また、睡眠中の咬筋・顎二腹筋の筋活動のバランスは一定ではなかった。安定した睡眠周期において咬筋のバースト特性を分析したところ、ノンレム睡眠とレム睡眠で大きな差がある知見を得た。さらに、睡眠・覚醒中の咀嚼筋活動を薬物学的にコントロールする研究の予備実験として、alpha-2アゴニスト(クロニジン)を数種の濃度で投与する実験を行った。現在そのデータを解析中であるが、高濃度のクロニジン投与では従来の報告にあるように、レム睡眠の減少と睡眠中の平均心拍数の若干の増加が観察された。
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Research Products
(3 results)