2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791472
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 達秀 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (70367621)
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Keywords | 未成熟筋組織 / BMP / e-PTFE / in vitro / 骨様組織 / CaCl_2 / 石灰化 |
Research Abstract |
骨芽細胞や骨細胞を分化・誘導させるために,胚性幹細胞(ES細胞),骨髄幹細胞,脂肪前駆細胞,最近では人工多能性幹細胞(iPS細胞)など様々な幹細胞が用いられている.既にこれらの幹細胞を用いた実験ではたくさんの成果が得られている. 本研究課題ではこれらの幹細胞からさらに分化した状態の筋芽細胞・筋管細胞を中心とする未成熟筋組織からin vitroにおいて骨組織を誘導することを試みている.それに際して,サイトカインには骨形成因子であるBone Morphogenetic Protein (BMP), scaffoldにはe-PTFE(expanded-polytetrafluoroethylene)膜を用いた.これまでの実験から,未成熟筋組織は骨芽細胞様細胞とこれらの細胞が形成したと思われる類骨からなる骨様組織に分化することが分かった.さらに,in vitroで誘導された骨様組織を3週齢のSprague-Dawley rat(雄)の背部皮下に移植すると,移植2週以降では骨様組織は骨化することが確認できた. 今年度はこれらの結果を基に,in vitroで誘導された骨様組織がより骨組織に近い組織への分化を試みるため,15mM CaCl2を加えた培養液を用いて実験を行った.その結果,培養2週後において強い石灰化組織像が観察された.さらに,培養3,7,10および14日目におけるI型コラーゲン,オステオポンチンおよびオステオカルシンの遺伝子発現量を確認したところ,何れの遺伝子もCaCl_2を加えない場合よりも発現量が増加していた.これらの結果より,誘導骨様組織はより骨組織に近い組織に分化しており,CaCl_2の培養液への添加は有効であることが分かった.来年度は培養液に添加するCaCl_2の最適濃度を模索することを中心に実験を遂行する予定である.
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