2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791475
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
山本 さつき Osaka Dental University, 歯学部, 助教 (20399091)
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Keywords | 心理ストレス / 生理学 / 咬合 |
Research Abstract |
近年,補綴治療を契機として心身症が引き起こされた症例や,口腔神経症的反応を示す症例が数多く報告されている.このような症状の発症には咬合の変化が口腔感覚-運動系の神経系にうまく順応できず,ストレッサーとなり,様々な身体・心理的な反応を引き起こした結果と推察することができる.しかし,咬合の変化と臨床症状の因果関係は未だに解明されていない. 平成19年は予備実験として,臼歯を抜歯したラットで受動的回避実験を行った. この実験はドアによって仕切られた明室と暗室の二室からなるステップスルー型受動的回避実験装置を用い,明室に入れたラットが暗室に入った直後にフットショックを与えた.この時の明室から暗室に移動する時間を反応潜時とし,獲得試行と再生試行の2試行の反応潜時を測定した.実験の結果,抜歯群の再生試行の反応潜時は対照群に比べて有意に短縮した. また,この実験では,海馬におけるグルタミン量も同時に測定した.実験の結果,グルタミン量に群間の有意差は無かったが,獲得試行時において,抜歯群のグルタミン量は対照群に比べて有意に少なかった. これらの結果は臼歯の咬合が確立されているラットに比べ,臼歯を喪失したラットは学習・記憶能力が低下していることが明らかにされた.
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